シンポジウム等企画セッション 予定

プレナリーセッション

基調講演

晝馬 明 氏(浜松ホトニクス株式会社 代表取締役社長)


OSA,SPIE,EOS特別講演



授与式・受賞記念講演

光学論文賞・光学奨励賞・光みらい奨励金,光設計賞 授与式

光学論文賞・光学奨励賞・光みらい奨励金 記念講演


第23回光設計賞 授与式・記念講演

光設計研究グループでは,光設計分野における技術交流・研究活性化を目的とし,本分野に関連する優れた研究・技術・発明を募集し表彰する「光設計賞」を実施しております.審査は将来性・実用性・独創性の3つの観点で行います.受賞者の皆様の記念講演をシンポジウム企画として実施致しますので,是非ご聴講ください.

OSJ-OSA-OSK Joint Symposia



未来社会(Society 5.0)を支える生体ひかり計測技術

近赤外線スペクトロスコピー(near-infrared spectroscopy, NIRS)のヒトへの応用は1970年代後半に始まり,現在は神経機能イメージングならびに組織酸素モニタのツールとして広く用いられている.NIRSには複数の計測法があるが,定常光を用いるCW(continuous wave)計測が最もよく用いられている.CW計測はサンプリングレートが高く,装置の小型化・多チャンネル化が容易であるが,定量計測ができず,また計測対象として一般的な脳組織ヘモグロビンを脳外組織の影響を受けずに計測することが困難で,診断法としての応用の可能性は極めて低い.そのため,CW計測の限界を乗り越えることができる新しい計測法が提案され,中でも時間分解計測法(time-resolved spectroscopy, TRS),空間分解計測法(spatially resolved spectroscopy, SRS),拡散相関分光法(diffuse correlation spectroscopy, DCS),空間周波数領域イメージング(spatial frequency domain imaging,SFDI)は有望である.また,CW計測においても改良工夫が加えられている(advanced CW).これらの生体ひかり計測技術は光診断学を創生し,未来社会(Society 5.0)が目す健康維持を可能にすると期待される.本シンポジウムでは,TRS,SRS,DCS,SFDI,advanced CWを紹介し,その有用性・課題・展望について議論する.



光無線給電技術と応用の研究開発最新動向

光ビームを用いて無線で給電する光無線給電が注目されている.既存の有線給電や電磁波利用の無線給電,また,バッテリー運用などに比べて,長距離・小型・電磁ノイズ干渉がないなどの利点があり,既存の給電の代替だけでなく,給電が課題や制約であったシステムへの適用,また新システムの創出などにつながると期待される.この光無線給電方式は,光源と受光器を基本要素とする高い実現性が想定される一方で,これまでの研究開発や応用事例は非常に少なかった.しかし,通信の無線化の完了を受け,多様な機器への無線給電化が望まれるようになり,急速な研究開発の進展が期待される.これから立ち上がる技術領域といえるが,要素技術,応用システムの検討など,関連する技術や応用も含めて講演いただくことで,本手法の今後の発展性や課題を明確化する.

 

イメージングの個別と綜合 - 様々なイメージング技術から普遍的結像理論へ

本シンポジウムでは様々なイメージング手法を概観し,それらすべてのイメージング手法を統一して記述するような「統一結像理論」を模索する.光学顕微鏡の結像の概念は19世紀末に確立されたが,当初は明視野顕微鏡など種類が限られていた.その後は蛍光・非線形光学・コヒーレント干渉イメージングなど様々な手法に関して個別の結像理論が発展をとげてきた.これらの個別理論は,各個の手法を理解するのに十分な反面,手法間の関連性の把握には不十分である.統一的な理論体系の欠如のため,イメージング手法の個別化はさらに無秩序に進みつつある.本企画は様々なイメージングを概観し,その統一を目指すことで,再度「イメージング」という技術そのものを理解しようという試みである.



『揺らぎ』を見る、見通す、操作する

空気や水,生体など,光が通過する実世界の媒質には必ず「揺らぎ」が存在する.そうした揺らぎを通過した光は乱れるため,揺らぎの向こう側を観察しようとすると,得られる像は不鮮明になる.光の乱れを補正できれば,揺らぎを通した多くのイメージングの抜本的な高精度化が可能となる.また,光の乱れには,「揺らぎ」そのものの情報がふんだんに含まれている.そのため,大気の乱流や水流,高速流体現象などを,光の乱れを用いて計測できると考えられる.さらには,光を用いて媒質の屈折率を制御し,「揺らぎ」を操作することも可能と考えられる.本シンポジウム「『揺らぎ』を見る,見通す,操作する」では,こうした「揺らぎ」と光の研究について第一線で活躍中の研究者に講演をしていただく.また,質疑応答の時間を長めに設けることで,異分野の研究者間の相互理解を促進したい.本シンポジウムが,揺らぎと光に関する共同研究の芽だし,活性化につながることを願うものである.



AI Optics研究グループ企画シンポジウム

AI Optics研究グループでは,加速する人工知能(AI)時代に対応し,グローバルな活躍を目指す光学研究者や技術者に向けて,AI基盤技術の習得を目的としたAI技術の情報共有の場や,講習会を含む技術的サポートを提供する活動を行っている.本シンポジウムは,その一環として企画するものであり,今回は,ご自身の研究にAI技術を取り込み高度に活用することで有用な成果を上げておられる講師による招待講演や,一般講演からの公募により構成される.本シンポジウムを契機に,「光学+AI」の研究領域における人的ネットワークが活性化し,本領域が大きく発展することを期待する.



光波シンセシスとナノオプティクス

光波を合成(シンセシス)することで,時間領域では短パルス発生や波形整形が実現され,超高速分光やコヒーレント制御という分野が生み出された.空間領域ではラゲールガウスビームやベクトルビームが実現され,新たな計測法や加工法が生み出されつつある.本シンポジウムでは,こうした波としての光の性質と,物質のナノスケール励起との接点に焦点を当て,新しいサイエンス,新たな応用の可能性を議論する.


 

シングルピクセルイメージングの応用事例とその光学特性

近年,コンピュテーショナルイメージングにおいて,イメージセンサーを用いずに単一の受光素子を用いたマルチプレクシング光学計測と画像回復のための信号処理により画像計測を実行するシングルピクセルイメージングが注目されている.本シンポジウムでは,この技術を用いた応用研究の事例について紹介いただく.また,光学計測としての有用な特性や将来的な展開について,理論から実装に至るまで幅広く議論していただく.



バイオ応用に向けたコンピュテーショナルイメージング

近年,光学技術とコンピュテーショナル技術を高度に融合させたコンピュテーショナルイメージングが盛んに研究されている.特に,ライトフィールドあるいはディジタルホログラフィーによる定量位相,蛍光3次元イメージング,構造化照明と物体との相関強度計測に基づくシングルピクセルイメージング,散乱透過行列に基づく散乱イメージング・光操作などが挙げられる.本シンポジウムでは,バイオ応用に向けたコンピュテーショナルイメージング技術を紹介し,今後の展開を議論する.



バイオイメージングのためのためのラマン分光

本シンポジウムは,日本分光学会と共同企画として開催するものである.ラマン分光法の基礎および装置についてわかりやすく紹介していただくとともに,ラマン分光法をバイオイメージングに応用した最新の研究成果を議論できるシンポジウムとする予定である.試料の定性分析,非染色観察などの技術について紹介していただく予定である.